August 18, 2007

あのね、わたしのたからものはね

 メアリィ=ジョーのクラスでは毎朝、誰かが自分の宝物の話をすることになっていました。宝物の話をしたいメアリィ=ジョーでしたが、誰も話したことがない宝物が見つからずなかなか発表できません。あるとき素敵な考えが浮かんで自分の宝物のはなしをすることにしました。さて、メアリィ=ジョーの宝物は何でしょうか。

 こーんなわくわくするあらすじを聞いたら、読まずにはいられませんでした。

 一年生の頃、わたしのたからものはなんだったっけ?そう考えて思い出しました。ピンクのおサルのMONちゃん。叔母がくれたぬいぐるみでずっと一緒。夢の中で両親とはぐれたときもMONちゃんとは一緒だったな。
 そして今の宝物は?そう考えると、メアリィ=ジョーと一緒かもしれないと思いました。

 なかなか話すことができないメアリィ=ジョーを見守る担任の先生やお父さんもいいね。
 

あのね、わたしのたからものはね (幼年翻訳どうわ)

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August 15, 2007

エーミールと探偵たち

エーミールと探偵たち (岩波少年文庫 (018))
エーミールと探偵たち (岩波少年文庫 (018))


 さてさて、今度はエーミール。

 汽車でベルリンに行く途中に母さんから預かった大事なお金を盗まれるエーミール。犯人を追いかけるエーミールはベルリンで出会った仲間とともに泥棒を追いかける。

 私は点子ちゃんが大好きなので、初めはちょっと物足りなく感じるのだけど、だんだんとエーミールと探偵たちに夢中になった。途中のエーミールと教授って呼ばれる男の子の会話がすごくいい。


「おまえの母さん、やかましい?」

「ぼくの母さん?ぜんぜん。なんでもさせてくれる。でも、ぼくはしないんだ、そんなこと。わかる?」


 子どもだけで泥棒をつかまえるようなお話って、子どもの友情物語だけで終わってしまう場合が多いけど、ケストナーの作品には必ず家族が出てくる。だから、子どもが読むと、親が子をすごく大事に思っているってわかって、安心するだろうし、大人が読めばじんとくる。

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August 14, 2007

点子ちゃん!!

 ケストナーの『点子ちゃんとアントン』を読んだ。点子ちゃんがすばらしくキュートで大好きになった。お話の途中にケストナーが「立ち止まって考えたこと」が書かれていて、点子ちゃんやアントンがどんなにかっこよく見えても、ほんとにそう?それだけ?って大人としての意見を述べている。でも、それって必要だったの??と思うけれど、作者の子どもに対する姿勢がわかって面白い。後半のアントンと母さんのやりとりは泣けてきた。

点子ちゃんとアントン (岩波少年文庫)
点子ちゃんとアントン (岩波少年文庫)

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August 13, 2007

わたしのなかのあなた

わたしのなかのあなた (Hayakawa Novels)

 アナは姉の白血病を救うために生まれたデザイナーベイビー。生まれてすぐに姉を救った。だが、13歳になったアナは自分の権利を守るために両親を訴える。

 読みながらずっーと、アナが家族の中で浮いちゃってる存在でもないのに、どうして弁護士を雇うことになったのか、不思議でたまりません。だから、アナの気持ちも、いまいちつかみきれなかったのだけど、最後に全てがわかる。読み終わった後、不思議なプロローグを読み返してしまう。せつなくなる。そして、表紙の写真がとてもいい。

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August 06, 2007

ふたりのロッテ

ケストナーってすごい。
ふたりのロッテ、これすごい面白いよ。
って、きっと誰もが知ってることなんだろうけれど
私ははじめて知ったよ。

児童書がすごいっていう大人だから思うフレーズを
つい思い浮かべちゃうもんね。

実は生き別れた双子の女の子って設定はいかにも物語的なんだけど
お父さんがふらふらして女の人と結婚しそうになるあたりは超現実的で
物語の中に現実もあって、現実の中に物語があるような??

読後感はとっても満たされた気分でした。
点子ちゃんも読んでみよう。


ふたりのロッテ (岩波少年文庫)

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November 10, 2006

ラストサマー

『トラベリングパンツ』『セカンドサマー』に続く完結編。
『トラベリングパンツ』は映画もよい出来なようで
どちらを先にしようと迷っていたのだけど
断然、本との出会いが多くて読んでしまったのでした。
『トラベリングパンツ』は面白かったし涙してしまった(私はよく泣くので涙は評価と関係しない)けれど
どこかいまいちだなーと思っていました。
ちょっと幼すぎる?と。
でも、『セカンドサマー』と読むうちに
登場人物にもろ感情移入。
『ラストサマー』ではかなり胸が痛かったです。
幼なじみの4人がそれぞれ別の夏休みを過ごすことから始まったこの物語も
それぞれが別の場所での生活が待っているところで終わる。
4人はきっと一生仲がいいと思うけれど
もうあの時間は戻らないっていうのをそれぞれが感じてる。
『トラベリングパンツ』と『セカンドサマー』を読んだのが
だいぶ間があいてしまったので、
この人ってそういう人だっけ?!って基本的な情報すら危うかったのだけど
衝撃的だったのがレーナの恋。
嘘でしょう……って思った。
『ラストサマー』でもレーナが気になって気になって。

とりあえず、3冊全て読むことをオススメします。

トラベリング・パンツ
アン ブラッシェアーズ Ann Brashares 大嶌 双恵
4652077122

セカンドサマー―トラベリング・パンツ
アン ブラッシェアーズ Ann Brashares 大嶌 双恵
4652077297

ラストサマー―トラベリング・パンツ
アン ブラッシェアーズ Ann Brashares 大嶌 双恵
4652077602

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July 20, 2006

弟の戦争

弟の戦争
ロバート ウェストール Robert Westall 原田 勝
4198603995

弟のフィギスは敏感な心を持つ12歳。飢えた難民の子どもの写真を見てしまうと、心がどこかへいったようになってしまう。あるとき弟は聞いたことのない言葉を喋り始めた。1990年、湾岸戦争が始まった夏、弟はイラクの少年兵になっていた。

弟はすごく無邪気で純真だ。
フィギスのような心は誰しも持っているはずなのに
それはどこにいってしまったのだろう。
世界には飢餓があふれていてそれが現実のことって知ったのはいつだっただろう。

フィギスという名は主人公の兄が空想の世界の友だちにつけた名前。
弟が生まれて、弟にはアンディという名があったけれど
一番の友だちになったのだからアンディはフィギスになった。
フィギスはイラクの少年に心をつかまれる。
イラクの少年になったフィギスからは遠く離れた国の同じ少年の様子がわかる。
本の中ではフィギスがどうなってしまうのかばかり主人公は気にしていた。
イラクの少年がどうにかなればフィギスもどうにかなってしまうのではないかと。
物語の終わりはあっけない。
あっけなくて悪い夢みたいだった。
フィギスからアンディに戻った弟の様子も喜べることなんだけど
なんだか心に影を残すお話だった。


こちらの作品は『子どもを本好きにする50の方法―+おすすめ本300冊』で知りました。

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May 18, 2006

『小鳥はいつ歌をうたう』 ドミニク・メナール

小鳥はいつ歌をうたう

読み書きが出来ない母親。声を発しない少女、アンナ。
アンナが学校に行くことになり1人の教師メルランと出会う。
メルランとの出会いはアンナの声を取り戻そうとしていたが……。

まずは母親である「わたし」の家族の物語から始まる。
出て行ってしまった父親の話、祖母であるババ・ガヤーの命の管を取った話。
読み書きを拒否し習得しようとしなかった「わたし」が大人になり、
ある男と知り合って一緒に暮らすが
男が「わたし」に隠れて日記のようなものを書いているの知り、激しく動揺する。
「わたし」は男の書いたものを黒く塗りつぶし絵をかいた。
男との愛の終わりにアンナを授かっていることに気がつく。
「わたし」はアンナを1人で産むが、やがてアンナが医学的障害はないのに
声を出さないことに気がつく。

「わたし」は思う。
ババ・ガヤーの呪い?
男のノートを塗りつぶした報い?

メルランは「わたし」に言う。
家族の物語を持っているのはあなただけではないんだよ。
あなたが字を覚えようとすればアンナはきっと声を出すだろう。


読んでいてはっきりわかることは
「わたし」にかけられた「呪い」は「わたし」がかけたもの。
言葉と断絶することで「わたし」とアンナの2人の世界は出来ていたのだから。

「わたし」の戸惑いや怯えが振動のように伝わってくる。
それはとても微量で消え入りそうなくらいだった。
なぜなら言葉を拒否するということが私には難しいことだからだろう。

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March 10, 2006

『魔女の血をひく娘』 セリア・リーズ著 亀井よし子訳


アメリカで発見された古いキルトに縫いこまれた日記。「わたしはメアリー。わたしは魔女。」で始まる日記には17世紀にイギリスで起こった魔女狩りを逃れてアメリカに渡った娘の半生が綴られていた……。

メアリーのおばあさんは薬草を作ったり治療師として働いていたことから、魔女として殺されてしまう。メアリー自身も魔女だと捕らわれそうになる寸前に助けをえて、新大陸に渡る仲間入りをし、そこで出会ったマーサというおばあさんと家族のように暮らすが、他の敬虔な信者たちにとってはメアリーは異端であり、次第に追い込まれていく。
「魔女の血をひく娘」では、メアリーの運命が気になるところだが、メアリーの日記とされた文章はわたしには読みにくい文章だった。魔女狩りって魔女だと言いがかりをつけられて捕らえられて殺された人が多いのだと思っていた。でも、この本ではメアリーは精霊や自分たちの力を知っているから自分のこともおばあさんも魔女だと認めている。魔女だからって殺されなきゃならないっておかしいと単純に思うけれど、その時に決して裕福でない村人たちが神の教えと称して魔女狩りという殺人を次々にしていった背景は、読んでいて悲しく想像できた。指導者が間違った考えを持っていたら、力ない人々までにもその気持ちが伝染してしまうのが人間の恐ろしいところだ。
思ったのは、メアリーが貴婦人のことを直感的に知る理由やマーサに受け入れられる理由など、ちょっと出来すぎともいえるエピソードにもっと触れて欲しかった。
本の最後のあとがきで、メアリーの日記が発見されてから足跡を探している。知っていることがあったらこちらへ、とメールアドレスが書かれていて、ちょっと混乱してしまった。これは、どういうこと?本当の話なのか?と。そしてそれは続編で明らかになる。

「魔女の血をひく娘2」では、舞台は現代。「魔女の血をひく娘」を読んだ大学生のアグネスがメアリーは自分の祖先だと思うところから始まる。アグネスと研究者アリソンとの出会い、アグネスにおとずれた変化。メアリーのその後は考えつかない形で語られることになる。そして続編の方がものすごく読みやすい。「魔女の血をひく娘」はあくまでもメアリーの日記だったから、読みずらかったのかと気づく。こちらは一気読み。メアリーとカケスや白いワシ、黒いキツネ、まだらの小鳥、エフレイムたちが先住民と白人の戦いの歴史の中でどう生きていったのか、涙なしでは読めなかった。

イギリスと魔法と言えば、いまやハリーポッターが代表的だけど、たとえフィクションであっても、こんな歴史があったと知れたのは大きかった。


この作品はスズモモさんのベスト本で紹介されていました。気になって読んでみて良かったです。ありがとうございました。

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February 27, 2006

『黄色い気球』 ローリー・ハルツ・アンダーソン著 赤尾秀子訳

コーヒーハウスの一人娘マティルダ。大好きな祖父と口うるさい母とコーヒーハウスで料理を作っているエリザに囲まれ、普通の少女時代を送っていた。しかし、町に伝染病が広がり悲劇がおそう……。

アメリカ初の気球が飛んでいった町はその半年後黄熱病によってめちゃめちゃにされる。1973年フィラデルフィアでの史実をもとにした小説。
黄熱病の治療法がわからないまま、その当時よいとされた手段で家族を看護する。病に犯されていない者たちはこぞって町から逃げ出し、黄熱病の患者の家は印をつけられた。黒人差別があった当時、黒人たちが患者たちのためにいかに献身的に働いたか。当初、黒人にはうつらないと思われていたなんて馬鹿らしい話だ。

マティは甘えが残る普通の少女だったが、病気になった母親とはぐれ、祖父と二人でゴーストタウン化した町をさまよう。やがてマティ自身も病に罹り、回復するが、今度は祖父の具合が悪くなってしまう。そして、行方不明の母親の消息。

病気は容赦なく人間をおそう。治療法がないはやり病ほど人間の恐怖心を煽る病はないだろう。悲しみと恐怖は人間としての分別をなくさせる。ただ、この小説では町を逃げてく人間の方が多く登場し、人間の変貌についてはそれほどひどいことは描かれていない。人はどんどん死んでいくが……。

黄熱病が蚊によって媒介されるとわかったのは1900年になってからというから驚く。黄熱病を現代に置き換えてもきっと人間のすることは一緒だろうな、と廃墟の町の様子を読みながら思った。そうならないで欲しいのはやまやまだが。。。重たいテーマの内容だが、それほど堅苦しくなく読めた。そこが作品の物足りなさにもつながっている気がするが、マティのように前向きに生きていきたいと素直に思えた。

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