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January 15, 2006

『春になったら苺を摘みに』梨木香歩

 いやー面白かった。普段エッセイって苦手で、今まで読んできたなかでは田口ランディさんのものが好きだけど、今度から梨木さんのも読もうと思った。梨木さんが書くとエッセイも物語のように面白い。それは外国、とりわけ留学していたイギリス時代のことを書いていて、私が知らない世界を教えてくれるせいもあるけれど、それだけじゃなくて、審美眼というのか、観察眼というものが、私もそうありたいと思えるようなものを持っているから。梨木さんは表情でいろんなことを読み取ります。私も無意識にこんなことしてる?と自問自答しましたが、答えはノー。梨木さんの児童向けのお話に外国人が登場したりするのは、海外生活を経験してるからってことがあるのだろうけれど、小さい時に読んだお話に外国人が出てくれば、日本の中だけで暮らす子どもの外国人に対する意識に余計なものが入らないようにってことなのかなーと。単純すぎる思考かな。
 9つの章の中で一番印象に残ったのは「夜行列車」だ。
チケットを見せるのに車掌はどうも違う部屋へ案内していて、結局車掌の間違いだった。雰囲気からして人種差別的ではないけれど、思い込みがありそうだったことから生じた誤解。でも梨木さんはその時どう思ったのかを人間個人の感情として車掌に伝えます。あなたが信じてくれなくて悲しかった、と。その後の車掌の反応で、元来職人気質で無骨な車掌には伝わったことがわかります。
 あとは、一番初めの「ジョーのこと」理知的で優しいジョー。彼女の行方が私も気になります。元気でいてくれればいいけれど。 

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Comments

「春になったら」は、物語を読んでいるような感覚で読めますよね。
エッセイが苦手なんて、私と同じです。
>小さい時に読んだお話に外国人が出てくれば~
なるほど。
そう考えたことはなかったですね。
私が子供時代だったころに比べて、今の子供たちは外国人が身近にいますよね。
小学校の月に何回かある英語の授業(といっても遊びですが)にネイティヴの先生がいたりとか。
意識改革って世代交代が必要不可欠なのかもしれないなぁと考えたりもして。

Posted by: くろにゃんこ | January 15, 2006 at 06:32 PM

意識改革に世代交代が必要ってなんとなくわかります。
ネイティブの先生の授業は増えてるのですね。
私は高校生の時が初めてだったかな。
しかもかなり感情的な女の先生でちょっとびっくりした記憶があります。
「ぐるりのこと」も読んでみようと思います。
ちょっとぷれっしゃあですね^_^;

Posted by: りりこ | January 16, 2006 at 11:35 PM

最近 忙しくて本を読めないのだけど
貴方のレビューを見て
なんとなく読んでみたくなりました
梨木さんの本は昔 小説を読んだことがあるかなってくらいですが
エッセイも面白そうなんですね

Posted by: razy | January 18, 2006 at 10:28 PM

razyさん、こんばんは。
梨木さんはエッセイも面白いです。
エッセイ苦手だけど、そう思うのだからすごい。
小説に通じる部分もあって(特に「村田エフェンディ滞土録」)
にじゅうまるな感じです。

Posted by: りりこ | January 18, 2006 at 11:57 PM

この本、私も先日読んだところです。
梨木さんがあの数々の作品を生み出すことができた破片が
見れたような気がしてとてもいいエッセイだったなぁと思いました。
エッセイっぽくないってわかります!
私も「これって1つの物語みたいだよなぁ」って思ったもん。
やっぱり書き方が上手なのかも。

あと、夜行列車は私も好きでした。

Posted by: みわ | January 24, 2006 at 12:01 AM

みわさん、こんばんは。
書き方が上手いんでしょうね。
「ぐるりのこと」読みましたが雰囲気全然違うんですよ~。

Posted by: りりこ | February 09, 2006 at 10:21 PM

りりこさん、はじめまして☆ちょこちょこ覗かせてもらってますv
日頃、和書をあまり読まない私にとって大変参考になります~。
梨木さんのエッセイ、ずっと気になってましたが、今月文庫版が
出て即ゲットしました!面白かったです!!
「夜行列車」のエピソード、私も好きです。
ほんと、梨木さんの観察眼&審美眼、羨ましく思います。
タイトルもとてもセンスがありますよねぇ。
これからもどうぞよろしくお願いします♪

Posted by: 胡桃 | March 15, 2006 at 11:46 AM

胡桃さん、はじめまして♪
コメントありがとうございますっ
梨木さんの本はちょこちょこっと読んでいて
まだ読んでない作品もたくさんあるようなので楽しみです。
タイトルもほんとセンスありますよねぇ。
こちらこそよろしくお願いいたします。

Posted by: りりこ | March 15, 2006 at 02:53 PM

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私は、エッセイというものがあまり得意ではないので、敬遠しがちなのです。 作家と作品は別物、と長らく思っていたんですが、梨木さんの本を読んでいるうちに、梨木さんがどのように物事を感じ、作品にしているのか、気になってきたのです。 梨木さんの描く物語は、単なる創作ではなく、にじみ出る作家の信条のようなものを感じます。 それに、こんなことを書くとおこがましいようですが、私となにやら似通っているところも�... [Read More]

Tracked on January 15, 2006 at 06:21 PM

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