『モーターサイクル・ダイアリーズ』

ブエノスアイレスで医学生のエルネストと年上の友人アルベルトはオートバイで南米大陸縦断の旅に出る。バイクの故障、恋愛、そしてハンセン氏病患者たちとの出会い……。
冒頭、エルネストは医学生で裕福な家庭に育ったおぼっちゃまなんですが、旅に出ることを両親ともに心配しながらも許して快く見送るのです。初めは「許さん!」と言っていた父親も見送りの際には「私が若ければオートバイにまたがってた」と言う。なんかすごく愛されてるんだよなぁと思った。エルネストはナイーブな青年でとても真面目です。相棒のアルベルトはお調子者で、カルイけどいい奴です。凸凹コンビゆえにケンカもするけれど、ふたりは本当に仲がいい。オートバイは途中で壊れて歩きとヒッチハイクの旅になるんだけどね。
途中で、土地を取り上げられて仕事を探しに行く夫婦に、君たちは何故旅をしているの?と聞かれる。そのときエルネストは答えを躊躇するのです。彼らからみればエルネストたちは迫害も受けておらず旅に出る理由がないから。私はエルネストがなんて答えるのだろうと固唾をのんで見守りました。エルネストは「旅をするため」と答える。その答えは貧しい夫婦をがっくりさせたかもしれないし、意味がわからなかったかもしれない。だけど、旅によってエルネストは変わった。目が開かれたっていうのかな。
最後にハンセン氏病患者が住んでいる島を訪れるふたり。そこでの触れ合いが良かった。重病患者以外が住んでいるのは孤島になっていて船で渡る。そこはシスターたちが幅をきかせているらしく、島に入るのなら手袋しなさいと言われるのです。ハンセン氏病が移る病気として隔離されていたのは昔の話です。多分、その時の慣わしで手袋をするというのが残っている。エルネストは意味がないことだと、当然手袋をしないのです。住んでいる人たちと段々と仲良くなって、サッカーをする頃には医者たちも手袋をはずしています。そして、島の人たちに会いに行くために、別れの前に川を泳いで渡るエルネストもじんときた。
この映画では描かれませんが、のちにエルネストはチェゲバラとしてカストロとキューバ革命を起こします。こんなに繊細で喘息もち(旅では何度かひどい発作を起こします)で医者を目指している人と革命家が重なりませんが、やっぱり旅で得たものが彼を動かすひとつの理由になった気がしてなりません。ゲバラを美化している映画だと言えば、そうなのかもしれません。でも、彼をゲバラとしてみなさないで、ただ一人の青年としても、成長の姿は美しく、見る者を惹きつける魅力があったのでした。
























Comments
こんばんわ、りりこさん。
ついでにこちらにもコメント&トラバさせていただきました。
私はチェ・ゲバラがどんな人物か全然知らないで観たのですが。
彼がどんな人物で、革命家「チェ・ゲバラ」のスタートがこの旅にあったことが、観ていて自然としみじみ伝わってきました。
いい映画ですよね。
Posted by: スズモモ | October 13, 2005 at 02:43 AM
スズモモさん、うん、いい映画でした!
彼の感じていること、考えていることに共感してしまいました。
私もチェ・ゲバラもキューバ革命のこともよく知りませんでしたが
ちょっと興味持ちました。
Posted by: りりこ | October 13, 2005 at 06:41 PM
私もキューバ革命のことは全然知らないんですけど
その後カストロ政権はひどかったようなことを
映画「夜になるまえに」で知りました。
でもゲバラは英雄で・・・と考えると
わけわからなくなってきました~。
Posted by: タンタン | October 13, 2005 at 11:32 PM
タンタンさん、カストロ政権はひどいし、ゲバラはカストロと仲たがいしてキューバを離れてCIAに暗殺されて…ってことでますますゲバラが英雄になったのでは、と推測しました!
Posted by: りりこ | October 14, 2005 at 10:13 PM