『エレファント』
コロンバイン高校の乱射事件を取り上げた映画です。観ようかすごく迷った作品で、雑誌などで良い評判を目にするたび、映画の中で事件そのものが美しく描かれていたら嫌だなと思っていた。こういう作品は真に迫るか美しく描くかどちらかしかないと思うから。でも、私が考えていた映画とは少しだけ違うものだった。
あの事件が発生する少し前からの高校の日常生活が映し出される。いろんな子がいる。わけもない不安に涙が出そうになる子。かっこいい男の子に色目をつかう女の子。かわいい彼女がいる子。ダサいと言われ逃げるように学校を歩いている子。写真を撮るのに夢中な子。食べるとすぐに吐くのが習慣になっている子。授業中いじめられる子。そして、そのいじめられている子がもう一人の友だちと乱射事件を起こすのだ。すごく怖かったのが、彼らは通信販売で銃を手に入れる。普通に。決行前に「これから死ぬんだな」「キスしたことあるか」「おれはないよ」とキスをする。それから、彼らは学校に入ってから容赦なく乱射し続けた……。
信じられない事件だ。キスもしてない男の子たちがどうしてそうなってしまったんだろう。彼はいじめられていて、それが原因のひとつで何もかもぶち壊したくなったのか。考えても仕方ないことを思う。そうなる前にどうにかならなかったのか、と。彼らを心配する人間はいなかったのだろうか。メイキングで主演のジョンが「不安は暴力になる」というようなことを言っていて、するどいなと思った。本当は、不安が暴力にならない世の中でないといけないのに。。。映画はドキュメンタリーのように撮られ、どちらの側でもない。これを観て考えることこそが意味あることだと言わんばかりに。監督のインタビューでは「この映画は中立で悪役もいない」というようなことを言っていた。でも、乱射した彼らはどんな理由があってもやっぱり悪役だ。そこだけが私が感じるのと違うようだった。
映画の台詞はほとんどがアドリブだという。そして、全体を流れるあのピアノも即興だそうだ。それは、本当にすごい。
もう少し気づかなければ。人間は一人じゃ寂しすぎるから。
























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